第2回 “どうせ無理”が口ぐせのままでは変わらない

リーダーの心得

「どうせ無理…」
「やってもどうせムダ…」
そんな言葉、ついつい口から出ていませんか?

介護現場でリーダーを担う私たちは、無意識の“口ぐせ”が職場全体の空気や動きを左右する存在です。
前回に続き、“言葉”が脳と行動にどんな影響を与えるのかを紐解きながら、現場でできる小さな習慣づくりを一緒に考えていきましょう。

結論:『どうせ無理』は思考停止スイッチ

「どうせ無理」は、思考の扉を自ら閉ざしてしまう言葉です。

しかもやっかいなのは、それが“口ぐせ”として脳に刷り込まれていることなんです。
言葉が変われば思考が変わり、思考が変われば行動が変わり、やがて現場の空気も変わっていきます。

だからこそ、私たちリーダーこそが、まず“口ぐせ”を見直すことが大切なんです。

脳は言葉に反応して動いている

脳は、日々繰り返される“言葉”に強く影響を受けています。

とくに無意識の領域、つまり潜在意識は「否定語」を理解できないという特徴があります。

たとえば「失敗しないように」
と繰り返せば、脳は「失敗」にフォーカスしてしまう。

同じように「無理だ」
と口にするだけで、脳は自ら可能性を閉じようと働いてしまうんです。
実にやっかいです。

西田文郎氏も「脳は現実と想像を区別できない」と言っています。

つまり、『できない』という思い込みも、
『できる』という思い込みも、
どちらも脳にとっては現実なんですよね。

だったら、自分にとって都合のいい言葉を
“先に信じてみる”ことが、
行動と結果を変える一歩になります。

具体例:言い換えることで空気が変わる

あるデイサービスの事例をご紹介します。
新しいリハビリ機器を導入しようという話が出たとき、年配の職員が
「でも、どうせ誰もやらないよ…」とボソリ。

その場の空気が一瞬でトーンダウンしました。
そこで管理者が「“やらないかもしれない”じゃなくて、
“やってもらう方法を考えよう”に変えてみよう」と声をかけました。

すると、他のスタッフから
「じゃあ、まず○○さんから使ってもらおう」
「職員が一緒に使ってみれば?」
と具体案が次々と出てきました。

つまり、『どうせ無理』という言葉を
『どうすればできる?』に変えただけで、
思考が“否定”から“創造”に切り替わったのです。
これは、特別な技術でもノウハウでもありません。
リーダーの一言がチーム全体の“考える力”を呼び覚ました良い事例です。

行動:明日から使える『言い換え』習慣

では、どうすれば“できない前提の言葉”を減らせるでしょうか。
実は方法はとてもシンプルです。
まずは「どうせ無理」
「自分にはできない」という言葉を、
次のように“言い換えて”みましょう:

・どうせ無理 → できるとしたらどうする?
・時間がない → 限られた中で何ができる?
・うまくいかない → 今、何を変えたら前に進む?

こうした問いかけにすることで、脳は“可能性を探すモード”に切り替わります。
また、朝礼や終礼などでポジティブな言葉を習慣化するのも効果的です。

「今日は何がうまくいった?」
「誰にありがとうを伝えたい?」など、
前向きな質問を投げかけることで、現場の空気も変わっていきます。
💡そしてもう一つ大事な視点があります。
それは、“言葉を変える”ことだけでなく、
“環境そのものを見直す”ことも、自分と職場の未来を変える大きな一歩になるという点です。
もしあなたが、「もっと前向きに働ける場所を探したい」
「成長できる環境に身を置きたい」
と感じたら、転職という選択肢も、あなた自身のこれからを真剣に見つめ直す前向きな自己対話の一歩になるかもしれません。
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まとめ

“どうせ無理”という言葉は、自分の可能性だけでなく、
チーム全体の可能性を閉ざしてしまいます。

だからこそ、リーダーであるあなたがその一言を変えることに意味があります。
「どうすればできる?」と問い直す習慣が、
脳のスイッチをONにし、
職場の雰囲気を変えていきます。

ぜひ、明日から“口ぐせ”を見直すことから始めてみませんか?
あなたのその一言が、職場の未来を変える第一歩です(^^♪

次回は、『クレームや事故は“改善のチャンス”——「勝負脳」で職場の空気を変える!』という話題をお届けします!

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