あなたにはこんな悩みはありませんか?
• 「スタッフ同士の雰囲気がギスギスしている…」
• 「新人がなかなか定着せず、教育に疲れてしまう…」
• 「頑張っているのに認められていないと感じて辞めていく人がいる…」
介護現場に長く携わってきた私自身も、同じような悩みを抱えていました。
人手不足が深刻化する介護業界では、心理的安全性の欠如や感謝の不足が、離職やストレス増大の大きな要因となっています。
そこで今回は、私自身が実際に効果を実感した「感謝フィードバック」という方法をご紹介します。
これは単なる「ありがとう」ではなく、相手の行動や存在を具体的に認めて伝える仕組みです。
今回は前回お伝えした(第21話)「逆境を力に変える」勝負脳の鍛え方法」の続編として、
「https://yuruchoco.com/nishida-22-kansya日常的で穏やかな力」を活かす方法をお伝えしていきます。
感謝フィードバックとは何か
感謝フィードバックの定義と目的
「感謝フィードバック」とは、相手の行動や貢献に対して、意図的に具体的な感謝を言葉で返すことです。
例)「昨日の急な入浴介助を笑顔で対応してくれてありがとう。あのおかげで利用者さんも安心して入浴できたよ。」
など、ただ「ありがとう」と言うだけでなく、なぜ助かったのか、どの行動が嬉しかったのかを伝えることで、相手のやる気や自己効力感が高まります。
これが、なかなか相手には伝えられないんですよね。
西田文郎氏の理論との関係
脳科学的にも裏付けがあります。
西田文郎氏は『勝負脳の鍛え方』(講談社)でこう述べています。
「脳は報酬系が刺激されると、言葉と感情がリンクして記憶される」
つまり、感謝の言葉は脳の報酬系を活性化させ、前向きな記憶として強化されるのです。
なぜ感謝フィードバックで現場が変わるのか
心理的安全性の向上
感謝の言葉が日常的に交わされると、スタッフは「自分の意見や行動が受け入れられる」と感じ、安心して行動できます。これは離職率の低下にも直結します。
ストレス耐性の向上
肯定的なフィードバックは、脳のストレス反応を和らげ、繁忙期やトラブル時にも冷静に対応できる力を高めます。
チームワークの強化
感謝は人間関係の潤滑油です。日々の小さな「ありがとう」の積み重ねが、組織全体の協力関係を強固にします。
現場での成功事例と私の体験談
事例1:夜勤明けの「ありがとう」が離職を防いだ
あるグループホームで、夜勤担当者が疲弊して退職を考えていました。
しかし主任が「昨夜の急変対応、本当に助かったよ。あなたのおかげで全員が無事に朝を迎えられた」と伝えたところ、本人は「自分の存在意義を感じた」と語り、退職を思いとどまりました。
事例2:感謝カードでチームの雰囲気が激変
特養施設で、週1回スタッフ同士が感謝カードを渡し合う仕組みを導入。
3か月で「雰囲気が良くなった」「意見が言いやすくなった」という声が増加し、利用者満足度も5%上昇しました。
私の体験談①:感謝で新人の成長スピードが変わった
かつて私がデイサービスの主任だったとき、新人が業務で失敗を繰り返し、落ち込む様子を見かけました。
そのとき私は「挑戦してくれてありがとう。次は一緒にやってみよう」と声をかけ続けました。
半年後、その新人は定着し、今では頼れる中堅スタッフに成長。
「失敗しても感謝される環境なら頑張れる」と語った一言が忘れられません。
私の体験談②:ありがとうの文化が委員会の雰囲気を変えた
リスク管理委員会でのことです。
事故が続いたたことで議論が重く沈みがちだった頃がありました。
そこで私は、会議の最後に「今日一番助かったことを一言ずつ共有する時間」を導入しました。
もちろん、今日ではなくても最近の出来事でもいいのですが、発言のハードルが下がりって委員会の雰囲気が一気に前向きになりました。
メンバー全員の意見を聞くことは大変なので、代表者だけでも良いかと思います。
結果、職員からの改善提案数が従来の2倍に増えたのです。
感謝フィードバックを習慣化する3つのコツ
〇具体的に伝える
「助かった」ではなく「○○してくれて助かった」と具体化することで、相手の自己効力感が高まります。
〇タイムリーに伝える
出来事から時間が経つと効果が薄れます。できるだけその日のうちに伝えるのがポイントです。
〇チーム全員で文化にする
朝礼・終礼で「感謝タイム」を設けたり、ホワイトボードに感謝エピソードを掲示したりすると、組織的な習慣になります。
現場での実践例(おさらい)
• 朝礼で「昨日のありがとう」を一人ずつ発表
• 成功事例や感謝のエピソードをホワイトボードに掲示
• 月末に「感謝フィードバック表彰」を実施
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もし、職場の人間関係や雰囲気に課題を感じているなら、介護職専門の転職エージェントに相談するのも一つの方法です。
感謝の文化を持つ職場へ移ることで、毎日のモチベーションや働きやすさは大きく変わります。
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まとめ
「感謝フィードバック」は、介護現場における心理的安全性を高め、士気を向上させる最もシンプルで強力な方法です。
西田文郎氏の理論が示すように、感謝の言葉は脳に成功回路を作ります。
あなたがリーダーとして感謝を届けることで、離職率の低下、チーム力の強化、利用者満足度の改善が確実に現れてくるでしょう。
👉 【次回の記事】では「「未来語り」で現場を変える」をテーマに、スタッフを伸ばす建設的なフィードバック方法をご紹介します。
FAQ(よくある質問)
Q1. 感謝フィードバックは具体的にどのくらいの頻度で行うべきですか?
A. 毎日のちょっとした場面で伝えるのが理想です。最低でも週に数回は意識的に実践しましょう。
Q2. 感謝ばかり伝えると甘やかしになりませんか?
A. 感謝と指導は両立可能です。感謝は行動を認める言葉であり、改善点の指摘とは別次元です。
Q3. 忙しい現場でどう習慣化できますか?
A. 朝礼・終礼での共有や、感謝カードの仕組みを導入することで負担なく習慣化できます。
📚 参考図書(巻末提示用)
『ツキの大原則』 西田文郎 著/サンマーク出版
『勝負脳の鍛え方』 西田文郎 著/講談社
『No.1理論』 西田文郎 著/サンマーク出版
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