はじめに ― 第16話からのつながり
前回(第16話)では、介護現場における「感情労働」を軽減するマネジメントについて解説しました。
感情的負担を減らすことで、スタッフの笑顔や利用者へのサービス品質を守れることをお伝えしました。
しかし、現場をさらに活性化させるには、スタッフ一人ひとりの「強み」を最大限に活かすことが欠かせません。
今回は、強みを見極め、それをチーム全体の成果につなげる介護チームマネジメントについて、具体策と事例を紹介します。
強みを活かせば現場は劇的に変わる
スタッフの強みを把握し、適材適所で役割分担を行うことは、介護現場の効率と雰囲気を大きく改善します。
強みを活かすことでモチベーションが高まり、離職防止とサービス品質向上を同時に実現できます。
強みを活かすとモチベーションが上がる
人は得意なことや好きなことに取り組むとき、集中力や持続力が高まります。
逆に、苦手分野ばかり担当するとストレスが増え、パフォーマンスも低下します。
チーム全体のパフォーマンスが底上げされる
それぞれの強みを組み合わせれば、弱みを補い合えるチームができます。
これは「ワンマン依存」や「業務の属人化」を防ぐ効果もあります。
西田文郎氏の「長所伸展法」
西田文郎氏は『No.1理論』(サンマーク出版)で「人は短所を克服するより、長所を伸ばすほうが成果は何倍にもなる」と述べています。
介護現場でも、この長所伸展法を活かせば、個々の力がチーム力へと変わります。
具体事例 ― 強み活用マネジメントの成功例
事例1:接遇力を活かしたフロアリーダー配置
ある特養では、利用者や家族対応が得意なスタッフをフロアリーダーに配置。
トラブル対応や初回面談を任せたことで、クレーム件数が減少しました。
事例2:記録が得意な職員をマニュアル作成係に
グループホームで、記録の正確さに定評のある職員にマニュアル作成を依頼。
新人教育の質が上がり、研修時間が短縮されました。
事例3:レクリエーション企画が得意なスタッフの活用
デイサービスで、レク企画が得意なスタッフに月間イベントを一任。
利用者の満足度アンケートが大幅に改善しました。
強みを活かすマネジメントは、チームの士気と成果を同時に引き上げます。
リーダーはスタッフの能力を見極め、役割分担を柔軟に調整することが重要です。
強み活用マネジメントのステップ
1. スタッフの強みを把握する(観察・面談・アンケート)
2. 強みを活かせる役割を設定する
3. 得意分野と苦手分野のバランスを取る
4. 成果を共有し、承認する文化をつくる
強みを活かすチームを作るには、適性のある人材の確保も欠かせません。
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「あなたが変われば、チームも変わります」
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まとめ ― 強みを伸ばせばチームは強くなる
介護現場では、全員が同じように何でもこなすよりも、それぞれの強みを活かすほうが成果につながります。
主任やリーダーが意識して役割分担を設計すれば、現場はより生き生きと動き始めます。
次回予告 ― 第18話「制度改正と人材不足に対応する組織力」
次回は、介護業界の大きな課題である制度改正と人材不足に焦点を当てます。
ドラッカーの変化対応論をもとに、変化の時代に生き残る組織力の作り方を解説します。
お楽しみに(^^♪
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【引用書籍リスト】
• 『No.1理論』 西田文郎 著/サンマーク出版
• 『勝負脳の鍛え方』 西田文郎 著/講談社
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