はじめに ― 第15話からのつながり
前回(第15話)では、離職ゼロを目指すための「公平で柔軟なシフト管理」について解説しました。
働きやすいシフトはスタッフの安心感を高めますが、それだけではストレスの根本解消には至りません。
介護職に特有のストレス要因として挙げられるのが「感情労働」です。
今回は、この感情労働の特性を理解し、現場リーダーや主任ができる負担軽減マネジメントを具体的に解説します。
感情労働への負担を軽減するマネジメントの意義
感情労働への負担を軽減するマネジメントは、スタッフのメンタルと離職率の両方を改善します。
適切なサポート体制とケア方法を整えることで、介護現場の笑顔と安定が取り戻せます。
感情労働とは何か
感情労働とは、感情をコントロールしながらサービスを提供する仕事のこと。
介護職は利用者や家族への接遇、同僚との協力、突発的なトラブル対応など、感情を押し殺す場面が多くあります。
情労働が続くとどうなるか
長期的な感情労働は、精神的疲労やバーンアウト(燃え尽き症候群)を引き起こします。
笑顔で接するためのエネルギーが枯渇し、モチベーションや判断力が低下します。
西田文郎氏の「プラス感情の蓄積」理論
西田文郎氏は『ツキの大原則』(サンマーク出版)で、「プラスの感情を意識的に蓄積することで脳は活性化し、困難に強くなる」と述べています。
感情労働がマイナスに傾きすぎないよう、意図的にプラスの感情を補充する仕組みが必要です。
現場で実践できる感情労働軽減の事例
事例1:感情共有ミーティングの導入
ある特養では週1回、感情を共有する短時間ミーティングを実施。
「今日のうれしかったこと・大変だったこと」を話す場を設けることで、心の負担を軽くし、スタッフ間の信頼も向上しました。
事例2:ストレスサインチェックリストの活用
グループホームでは、主任が月1回スタッフのストレスサインを確認。
早期に声掛けや勤務調整を行うことで、長期休職者ゼロを達成。
事例3:利用者の「ありがとう」共有ボード
デイサービスで利用者や家族からの感謝の声を掲示。
スタッフの自己効力感が高まり、感情労働のマイナス影響を軽減。
感情労働を軽減するマネジメントは、単なるメンタルケアではなく職場文化づくりです。
リーダーや主任が積極的に取り組むことで、現場の安定とサービス品質の向上が実現します。
感情労働軽減のステップ
1. 感情共有の場を定期的に設ける
2. ストレスサインを早期に察知するチェック体制をつくる
3. 感謝や達成感を可視化する仕組みを導入する
4. 有給や休憩時間の取得を徹底する
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感情労働を軽減しても、人員不足が続けば一人当たりの負担は残ります。
そこで活用できるのが、介護職専門の転職エージェントです。
信頼できるスタッフを増やせば、現場全体の感情的負担を分散できます。
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まとめ ― 心の余裕が現場の質を上げる
感情労働の負担を減らすことは、スタッフの笑顔を守り、利用者の満足度を高めます。
主任やリーダーの意識と行動が、現場をより温かく、持続可能な場所に変えていきます。
次回は、介護リーダーの悩みを解決するための「強み」を活かす介護チームマネジメントという話題についてお届けします。
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【引用書籍リスト】
• 『ツキの大原則』 西田文郎 著/サンマーク出版
• 『No.1理論』 西田文郎 著/サンマーク出版
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