「はじめに|介護現場で情報共有が欠かせない理由
前回(第13話)では、介護現場の業務負担を軽くする「業務棚卸し」の方法と効果をご紹介しました。
不要な作業や重複業務を削減することで、スタッフの時間と心の余裕を生み出すことができました。
しかし、せっかく業務を効率化しても、情報が伝わっていない・共有されていない状態では、現場はスムーズに回りません。
今回は、スタッフ全員が必要な情報を的確に共有し、状況に応じて動ける環境を作るための「見える化」の実践法を解説します。
介護現場を変える「見える化」の力
介護現場の「見える化」は、情報共有の抜け漏れを防ぎ、全員が同じ方向を向いて動けるチームをつくります。
見える化の仕組みが整うと、判断スピード・対応力・サービス品質が向上し、利用者と家族の安心感も高まります。
情報不足は現場の混乱を招く
介護現場では、利用者の体調変化やケア内容、家族からの要望など、多くの情報が日々発生します。
これらが正確に共有されないと、重複対応・ミス・対応遅れなどが起こり、現場の信頼性が低下します。
見える化がもたらす「安心感」
必要な情報がいつでも誰でも確認できる状態になると、スタッフは「情報を探すストレス」から解放されます。
また、新人や非常勤スタッフもスムーズに業務に加われるため、全体の生産性が上がります。
西田文郎氏の「共有意識」の考え方
西田文郎氏は『No.1理論』(サンマーク出版)で、「意識の共有が組織力を高める」と述べています。
見える化はまさにこの「意識の共有」を具体化する方法であり、現場の一体感を生み出します。
介護現場での見える化成功事例
事例1:ホワイトボードによる情報一元化
ある特養では、日々の利用者の状態変化・注意点・イベント情報をホワイトボードに集約。
全員が出勤時と退勤時に確認するルールを作り、情報の伝達漏れが激減しました。
事例2:共有ノートとLINEグループの併用
グループホームでは、紙の共有ノートとスタッフ専用LINEグループを併用。
急な変更や注意事項はLINEで即共有し、詳細はノートに記録。
結果、夜勤と日勤の引き継ぎミスがほぼゼロに。
事例3:写真付きマニュアルのデジタル化
デイサービスで、業務手順を写真付きでGoogleドライブに保存。
新人やパートスタッフがスマホで即確認できるようになり、教育時間が短縮されました。
見える化は単なる情報掲示ではなく、現場の連携力を底上げする重要な仕組みです。
適切なツールとルールを組み合わせることで、情報伝達の精度とスピードが飛躍的に向上します。
見える化導入のステップ
1. 必要な情報の種類を整理(利用者情報、業務連絡、行事予定など)
2. 共有方法を決定(ホワイトボード、ノート、デジタルツール)
3. 更新・確認のルールを設定(更新者、更新時間、確認タイミング)
4. 定期的に効果を検証・改善
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見える化で情報共有が整っても、人員不足やスキル不足があると現場は回りません。
そこで役立つのが、介護職専門の転職エージェントです。
経験やスキルを持った人材を確保すれば、情報共有の仕組みがさらに活かされます。
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まとめ ― 情報が共有されると現場は強くなる
見える化は、誰でも、いつでも、必要な情報にアクセスできる状態を作ることです。
主任やリーダーが先頭に立って仕組みを導入すれば、現場は混乱から一体感のあるチームへと変わります。
✅ 次回予告
次回のテーマは、 『“シフト管理の見直しで離職ゼロを目指す方法』です。
公平性と柔軟性でスタッフ満足度を高めるシフト術とは?
シフト管理の改善が介護現場の安定運営と定着率向上に直結。公平性・柔軟性を両立する方法を解説。
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【引用書籍リスト】
• 『No.1理論』 西田文郎 著/サンマーク出版
• 『勝負脳の鍛え方』 西田文郎 著/講談社
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