「うちのチームなら大丈夫」|No.1理論で介護現場が変わる理由

介護リーダーの悩み相談

前回(第11話)では、「職員がいなくて回らない」という言葉が現場を停滞させる危険性と、それを「今いるメンバーで乗り切る」発想に切り替える重要性をお伝えしました。

その中で、リーダーの発言がチーム全体の思考と行動に与える影響は非常に大きいという話をしましたね。

今回は、その中でも特に強力な言葉である 「うちのチームなら大丈夫」 に焦点を当てます。

これは根拠の有無に関係なく、メンバーに安心感と行動力を与え、現場を動かす魔法のようなフレーズです。

この背景には、西田文郎氏の『No.1理論』(サンマーク出版)で語られる「根拠なき自信が脳を最大限に動かす」という考え方があります。

介護現場を変える「うちのチームなら大丈夫」の力

「うちのチームなら大丈夫」という言葉は、介護現場の士気と行動力を一気に引き上げる“成功スイッチ”です。
人手不足や予期せぬ事態が起きても、この言葉を発することでスタッフは「できる前提」で動き出し、協力体制と解決力が自然に生まれます。

は「できる前提」で動き出す

『No.1理論』によると、人間の脳はポジティブな言葉やイメージを受け取ると、無意識のうちにそれを実現する方法を探し始めます。
「難しい」「無理だ」という言葉は脳の回路を閉じますが、「大丈夫」という一言は解決策を探すスイッチを入れます。

安心感が集中力と協力を引き出す

介護現場は突発的な対応が多く、感情の安定が業務の質を左右します。
リーダーが「大丈夫」と言い切ることで、スタッフの心理的安全性が高まり、冷静な判断と協力行動が生まれます。

潜在能力を引き出す「根拠なき自信」

西田氏は「信じたことが現実をつくる」と述べています。

この根拠なき自信は、スタッフ一人ひとりの潜在能力を引き出し、困難を乗り越える原動力になります。

欠員が出ても笑顔で乗り切った特養の成功事例

事例1:欠員時でも笑顔が消えなかった特養

2名の急な欠勤が発生した特養。
主任は朝礼で「うちのチームなら大丈夫。今日は工夫して乗り切ろう」と発言。

結果、互いに自然なフォローが生まれ、利用者対応もスムーズに完了。

後日アンケートでは「安心して仕事できた」という声が多数寄せられました。

事例2:新人スタッフの自信を引き出したデイサービス

業務に不安を抱く新人に対し、リーダーが「このチームにいる限り大丈夫。一緒にやればできる」と声をかけました。
新人は徐々に積極性を増し、半年後には中心メンバーに成長。
これは『No.1理論』が示す「信じてもらえることで自己効力感が高まる」効果の実例です。

事例3:危機的状況で一体感を生んだグループホーム

利用者の急変が重なった日、現場リーダーが「大丈夫、落ち着いて役割分担しよう」と即座に指示。

混乱を最小限に抑え、関係者全員が「一体感を感じた」と振り返りました。

心理的安全性とチームワークの好循環を生んだ瞬間です。

朝礼で必ず「大丈夫」ワードを入れる

→ 1日のスタートに前向きなスイッチを入れる。
1. 具体的な行動提案とセットで伝える
例:「大丈夫。じゃあまずAさんは入浴介助をお願い」
2. 日常的に成功体験を共有する
→ 「前回も乗り切れた」という記憶が次の自信の根拠に。
3. 声のトーン・表情にも自信を込める
→ 非言語メッセージが安心感を増幅させる。

チーム力を高めても、介護人材不足という課題は依然として存在します。

そんなとき、信頼できる人材を確保する方法の一つが、介護職専門の転職エージェントの活用です。

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まとめ

介護現場で「うちのチームなら大丈夫」という言葉を発することは、単なる励ましではなく、脳と組織を動かす戦略的行為です。

主任・リーダーが率先してこの言葉を使うことで、現場は困難に強い自走型のチームに変わります。

次回(第13話)は、『「業務棚卸し」で介護現場を軽くする!』という話題をお届けします。
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【引用書籍リスト】
• 『No.1理論』 西田文郎 著/サンマーク出版
• 『勝負脳の鍛え方』 西田文郎 著/講談社
• 『ツキの大原則』 西田文郎 著/サンマーク出版

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